multicultural SF

"モデル・マイノリティ"イメージとアジア系アメリカ人女性

じゃすみん茶さんの、言の葉を拾い集めてのブログよりトラックバックです。
数日前のコメント欄でも記事を紹介してくださったのですが、私も前から気になっていたことなので、改めてこのことについて書きたいと思いました。

アジア系アメリカ人女性の自殺率の高さについてです。
Push to achieve tied to suicide in Asian-American women
Depression starts even younger than age 15. Noh says one study has shown that as young as the fifth grade, Asian-American girls have the highest rate of depression so severe they've contemplated suicide.

As Noh and others have searched for the reasons, a complex answer has emerged.

First and foremost, they say "model minority" pressure -- the pressure some Asian-American families put on children to be high achievers at school and professionally -- helps explain the problem.

"In my study, the model minority pressure is a huge factor," says Noh, who studied 41 Asian-American women who'd attempted or contemplated suicide. "Sometimes it's very overt -- parents say, 'You must choose this major or this type of job' or 'You should not bring home As and Bs, only As," she says. "And girls have to be the perfect mother and daughter and wife as well."
・・・
And in Asian cultures, he added, you don't question parents. "The line of communication in Asian culture one way. It's communicated from the parents downward," he says. "If you can't express your anger, it turns to helplessness. It turns inward into depression for girls. For boys it's more likely to turn outwards into rebellious behavior and behavioral problems like drinking and fighting."

But Noh says pressure from within the family doesn't completely explain the shocking suicide statistics for young women like her sister.

She says American culture has adopted the myth that Asians are smarter and harder-working than other minorities.
・・・
Heredity, Noh says, also plays a role. She says in her study, many of the suicidal women had mothers who were also suicidal. She says perhaps it's genetic -- some biochemical marker handed down from mother to daughter -- or perhaps it's the daughter observing the mother's behavior. "It makes sense. You model yourself after the parent of the same gender."
・・・
While some women in her study did seek help through counseling and prescription drugs, most of her subjects were ambivalent or even negative about counseling. "They felt the counselor couldn't understand their situation. They said it would have helped if the counselor were another Asian-American woman."


この記事のEliza Noh教授(お写真ではとても若く見えますね)、こちらの記事でも取り上げられていて、私はこの記事で始めてアジア系アメリカ人女性の自殺率の高さを知りました。
Asian Women Face 'Model Minority' Pressures
彼女のお姉さんのことも、さらにこんなことが紹介されています。
Her sister underwent cosmetic surgery to have a European bridge put in her nose and eye-widening folds in her upper lids.

Her problems didn't ease with her change in appearance, however.

"She wrote an essay for an English class and got a B on the essay. When she inquired to her professor, he said he didn't give foreign students A's on English papers," said Noh, noting that she and her sister were born in the United States. "This is the kind of racism she would come up against. And that really depressed her."


モデル・マイノリティというのは、アジア系アメリカ人につけられたイメージです。移民でありながら、他のマイノリティグループに比べて高学歴の人が多く、経済的にも白人の平均を上回っている、ということで、こう呼ばれるようになりました。中国移民や日系移民が蔑まれて呼ばれていた時代から、こうして新移民も含め、学業も経済面も成功している。ポジティブに受け入れられていることを証明するかのように使われたことばでしたが、実は、アジア系をそう呼ぶことによって、黒人やラティーノなどの他のマイノリティグループと比べて差別するためにも用いられるという皮肉な面も持っています。そして、低学歴・低所得が多いアジア系は、「モデルマイノリティ」ではない、と疎外してしまう可能性も含んでいる、実はとても厄介なことばです。

この、モデルマイノリティのイメージ、実際に、アジア系自身はどう受け止めているのかというと、もちろん人によりますが、そのイメージに苦しんでいる人も多いと思います。抜粋もしましたが、常に成績はA、必ず就職できる(そしてお金が儲かる)専攻、またそのための大学、大学準備、常に完璧でなくてはならない、という家族からのプレッシャー。いや、完璧にするために全力を尽くしても、常に親を満足させることができないということのほうが、苦しいかもしれません。

しかし実は、アジア系の中だけでなく、家庭の外、つまり学校や会社でも、彼らはこのイメージに苦しめられています。Noh教授のお姉さん(あるいは妹さん)は、英語の先生に「外国人の生徒にAはあげない」と言われた、と言っています。アメリカ生まれなのに、です。また、これは私の友達(香港出身)に実際にあったことですが、コンサルタントをしていた彼女は、上司に常に「積極性に欠ける」という評価をもらっていたそうです。彼女はできる限りのことをして積極性に勤めているのに、です。この裏には、「アジア女性=積極的ではない」というイメージを、その上司が持っているために、どんなにがんばっても認めてもらえない、というのがあって、私の友達はその作られたイメージと戦い、苦しんでいたわけです。

こういうことは、実は、私はあまり感じたことがありません。まだ、経験したことがないだけかもしれないし、私の性格がポジティブだからなのか、それともラッキーなことに、私のことをステレオタイプやイメージにとらわれずに評価してくれる先生や友達に恵まれたのか、あるいは、親と一緒に住んでいないことで、家族からの直接のプレッシャーがないからか、はっきりとは分かりません。でも、こんなにアジア系アメリカ人女性を苦しめている、何かがある、というのは分かるし、また、彼女たちの苦しみも、完全には理解できないかもしれないけれども、分かります。

大事なことは、これは彼女たち自身、あるいやコミュニティや家族の問題と言うだけではなくて、彼女たちの周り、つまり、学校の先生や、会社の上司、アジア系以外の人も大いに関係していると思うんです。そのことを、CNNや他のメディアはどこまで伝えてくれるのでしょうか。余談ですが、アジア系女性の自殺率の話をあるクラスでしたとき、白人の50代後半~60代位のクラスメートの女性に、「それは、アジア(特に日本)の文化では、自殺を美とする文化があるからなのか?」と、まじめな顔で聞かれました。おそらく、武士の切腹のことを言っているのだと思うのですが、あまりにも時代錯誤、あまりにもステレオタイプに満ち溢れていて、どうしようかと思いました。「そうではなくて、本当は鬱に苦しんでいるのに自覚しない人が多いか、または鬱に苦しんでいてもなかなか助けを求められない人がいるからではないか、日本の文化では自殺は美とされていないし、むしろ宗教的にも罪なことだ」というようなことを答えておいたのですが。



そのまじめさゆえに、がんばりすぎて、働きすぎて、自分を苦しめて、自分の心や体を壊してしまうアジア系女性が、少しでも多く救われるように、と思います。
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by hanasmilesf | 2007-05-21 16:38 | multicultural topic

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