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陪審員と裁判員

これもまた、新型インフルエンザに埋もれてしまいそうな重大なニュース。裁判員制度が始まりましたね。始まっちゃった。皆さん心の準備はいかがですか?

ご存知の通りアメリカは陪審員制度(日本で言う裁判員制度)があります。実は私にも陪審員の通知が来たことがあります。もちろん市民権がある人にしか資格はないので、陪審員にはなれないのですが、通知が来て放っておくとまずいことになります。絶対に返送しないといけないんですよね。面倒ですが。

実際にアメリカで陪審員の通知が来て、裁判所に呼ばれた友達の話をきいたことがあります。日本の制度はどうかわからないですけど、陪審員に呼ばれると、絶対にその裁判の陪審をすると決まったわけではなく、何人かの候補から選ばれるわけです。この選定のときに、「この事件は、こういう事件で、こういう面があるが、あなたは公正に裁く自信があるか。情に流されたり、精神的に不安定になったりせず、公正に判断ができる自信があるか。」というのをまずきかれるそうです。ですから、偏った判断、アメリカの場合は、特に人種差別的な偏見で、不正な判決が出ないように、こういう質問がなされるのだと思います。もちろん事件の残虐性などで自分が偏った判断をしてしまわない、という自信がない場合もそうなので、私の友達はどういう事件かを聞いたうえで、これは自分が感情移入してしまう、と思って、「公正な判断をする自信がない」と言って、断ったそうです。

このほかにも、陪審員になるとその事件についての守秘義務は絶対ですし、またほかの陪審員と話し合わなければならないため、ちゃんとそういう議論ができるか、ということもあります。

先日ニュースを見ていて、日本の裁判員制度は5日ほどで裁判が終わるスピード裁判になる、と言っていました。しかし、事件によるとは思いますが、人の人生、生死を決める裁判が、たった5日で終わっていいのでしょうか。そしてたった5日の議論、考える時間、で、それがはたして決められるのでしょうか・・・。疑問もいっぱい残っているのに始まってしまったという感じがします。そして詳しいことまで知られないまま、時間が拘束されるとか、そういういわば「自分たちの都合」だけを気にする報道が、少し気になります。
by hanasmilesf | 2009-05-23 02:01 | random thoughts

randam thoughts and journals from Kyoto~サンフランシスコから日本に戻ってきました~Coming full circle


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