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カテゴリ:multicultural topic( 97 )

国際交流から多文化共生への移行

最近このブログではこの話題が多くなってしまっています。
今私の関心がこっちに向いているということなんですが…001.gif

国際交流から多文化共生への移行がなかなか進まない地元団体の現状が、何とかならないかなあと色々考えているうちにウェブサイトで検索したら見つかったリンクを(記録用に)貼っておきます。

公益財団法人 三重県国際交流財団
いろんな活動をしているようですが、それだけじゃなくウェブサイトも充実しています。

特にこのページで目に留まったのがこれ↓
新版 みえこさんのにほんご

三重県の教育委員会が公開している、日本語の指導が必要な児童・生徒のための日本語テキスト。とてもわかりやすく、学校の生活に必要な語彙を絡めながら文法もカバー。絵カードも付いています。すばらしい!

かながわ国際交流財団 (多文化共生の地域社会かながわづくり

公益財団法人 茨城県国際交流協会

ここに載せたのは公益財団法人ばかりですけれど、外国籍住民の多く住んでいる町だと、日本語を教えるサークルみたいなのがいくつもあって、それらの情報もウェブサイトなどで調べられるようになっています。

ご専門の方にはもう分かりきったことなのかもしれませんが、私の印象としては(おそらく日本全国にあるであろう)国際交流協会が、昔は本当に「国際交流」でいろいろと活動してきていたのを、時代の流れによって「多文化共生」が取り入れられるようになり、もちろん昔の名残で今も国際交流的なイベントをしつつ、外国籍住民の支援という形で多文化共生事業を進めてきているんだろうなあと。

つまり、こういう事業は当事者の運動から始まったものではないのではないか、と思うのです。もちろん、そういうものもあると思いますし、草の根のNPOレベルでは、当事者から始まっている活動もたくさんあると思いますが、行政側の「国際交流」から始まっている多文化共生事業にはどんなものがあるのか、興味があったので、もう少しいろいろと調べてみたいと思います。
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by hanasmilesf | 2012-11-13 01:19 | multicultural topic

何もないところから

地元の日本語教室(日本語学校ではありません)でボランティアを始めることになりました。ここは外国人散住地域で、ニューカマーの数は少ないのですが、地元企業に研修でやってきている人たちや、外国から結婚を機にここにやってきた人たちが住んでいます。

日本語教室自体は始まってまだ数年で、地元の方が本当に何もないところから始められたのです。

が、今のやり方は正直、ちょっとまずい…。

というのも国語教材を使っているんですね。正確には小学1年生の国語教材です。ボランティアの人たちは、学習者の人がその教材のドリルの問題を解くのを手伝っている、という感じ。

(*ここではほぼ1対1か1対2で教えていて、学習者のレベルはまちまちなのですが、総体的に初級がほとんどです。)

もちろん説明をしたりもしますが、当然、日本語ネイティブの児童向けに作られているのでいわゆる「アカデミック言語」が入ってくるわけです。それも説明しないといけないとなると、文法的には初中級のものも当然含まれるので、初級の学習者には???となるわけです。

あと、これはまずいなあと思うのは、初級で必ずやる数字や、時間の聞き方、値段の聞き方、「~は・・・です」「~は・・・じゃ(では)ありません・じゃないです」などの文法はまったく入っていない人が続出しているのです。こういう文法は日本語の教科書だとたいてい第1課~2課で習うものですが、それすらも入っていない。(でも、国語教材なので、語彙や助詞など、日本語ネイティブが習う文法的なことは、少し入っています。これはこれで、偏った知識というか、あまり日常では使わない語彙も含まれる可能性があります。)

この国語教材はあまり「です・ます」を使わないので、このまま会話に使おうとすると「です・ます」などの丁寧な文を学ばずに使ってしまうことになる可能性もあり、それもまずいなあと思います。

この教材を使い続けて、日本語ができないということはないだろうけれど、これで会話スキルがつくかどうかは、厳しいのでは、と私は思います。いくら日本に住んでいて、日本語を毎日使う環境にあっても、人によっては同じ国の人と生活していて、あまり日本語ネイティブの人とコンタクトがない人もいますよね。そういう人にとっては、このやり方はなかなか会話スキルが伸びていかないのでは、と思うのです。

何もないところから始められたので、それを続けてこられたことは、素晴らしいと思いますし、今後ますます活発な活動が期待されます。それでもやはり、ノンネイティブが「日本語」を学ぶのと、日本人が「国語」を勉強するのとでは違いがありますし、ネイティブ向けの教材をそのままノンネイティブに使いのはさすがにまずいと思います。(中級以降になってくれば、使えるものも出てきますが。)

これから私がどれだけかかわれるかにもよりますが、少しずつ変えていけるような立場になったら早急に変えないといけない事案の一つです。

後は、日本語ボランティアの養成が急がれます。
私も、日本語を教えることについては素人同然でしたし、アメリカにいたときの日本語の先生の見よう見まねでやっていることばかりです。専門的知識も(勉強中ですが)乏しいですので、専門家として協力することはできません。それでも、日本語教育にかかわってきたものとして言えることは、繰り返しになりますが日本語を外国語として教えるのは、国語を教えるのとは少し違う、ということですね。

でも、日本語を教えるのは楽しいですし、少しでも日本語を教えたい、やってみたいと思う人が増えたらいいと思うので、日本語ボランティアの養成講座を設け、少しでも日本語を教えるってどうやるのか分かってもらえたら、と思います。まだまだ道は遠いですが、何とか事態が改善すればと思っています。

一言に日本語教室、といっても難しいなあ、とつくづく感じます。
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by hanasmilesf | 2012-10-11 11:57 | multicultural topic

「わかりやすい日本語」で

日本語を教えている先生方にも人気のあるこの本。シリーズになっていて、第3段が出ています。ドラマにもなったので、知っている人も多いことでしょう。何げなく手に取った本ですが、知らなかった日本語の知識もあり勉強になったり、シリーズ1が出た当時はアメリカで教えていたので、日本の日本語学校で学ぶ生徒はこんな風にして生活から日本語を学んでいくんだ…ということも知ることができました。

マンガなので、専門書で読むと難しく解説してあるところも分かりやすく書いてありますし(もちろん、専門書ではありませんので、専門用語まで勉強できるわけではありません)、日本語を教えるということに興味のある方、日本語を教え始めたよーという方にお勧めしたい本です。

シリーズ1冊目は、漢字の起源の話が印象的でした。あとは、お寿司屋さんでよく見る区切りのついた小さいお皿は何て呼ぶ?とか、生徒からいろんなことを聞かれる様子も面白かったです。

日本人の知らない日本語

蛇蔵&海野凪子 / メディアファクトリー



シリーズ2冊目で印象に残っているのは神社の狛犬のエピソード。

日本人の知らない日本語2

蛇蔵 / メディアファクトリー



シリーズ3冊目で印象に残っているのは、はタイトルにもなっている「わかりやすい日本語」とは、という話。

日本人の知らない日本語3 祝! 卒業編

蛇蔵 / メディアファクトリー



日本語の学習者があるとき学校で倒れてしまい、病院に行きますが、付き添いに学校で働いている外国人の先生がついていきます。

病院の人は、先生が通訳をしてくれると思って先生を頼るのですが、実は先生は日本語で生徒に話しています。生徒は日本語が少しわかるので、お医者さんは「じゃあ、直接私が聞きます。」といって、「どうされましたか?腹痛と伺いましたが、心当たりは?」と生徒に聞くのですが、生徒は答えられません。

結局、付き添いの先生がお医者さんの代わりに生徒とコミュニケーションをとるのですが、その時使っていた日本語が、「わかりやすい日本語」ということなんですね。

「どうされましたか?」→「どこが痛いですか?」
「心当たりは?」→「何を食べましたか?」

という風に、生徒が理解できる日本語を使ったわけです。

これは、日本語を教えていたらおそらく自然にわかると思うのですが、初級の学習者にいきなり「どうしたんですか?」と聞いたり、「頭痛がしますか」と言ったりしても「?」となるわけですね。

「急いでください」も、「急ぐ」という言葉を習っていなければ、わからない。なので、「早く来てください!」というとか、そうやって学習者がわかる範囲の語彙を駆使してコミュニケーションをとっていきます。

また、この本ではこういうわかりやすい日本語を話すポイントとして、できるだけ漢語ではなく和語を使う、「頭痛」だったら「頭が痛いです」に変える、文章をできるだけ短くする、などがあると述べられています。

これは、英語を勉強するときでもそうだったと思いますが、作文やエッセイなどを書くときに、日本語で考えた文章をそのまま英語に直そうとすると、難しすぎるということがありませんでしたか?

その場合も一緒で、できるだけ自分の知っている表現やフレーズを使うと訳しやすくなりますよね。「~で苦労する」とかいう場合でも、「苦労」ってなんていうんだろうという単語だけにとらわれているよりも、英語には"have a hard time"というフレーズがありますから、それを使えばいい、ということになります。

わかりやすい表現を使うということは、少し頭を柔らかくするとできてくることなのですが、これも訓練というか、慣れが必要なのかな、と思います。「これを日本語学習者に説明するならどういうかな?」ということを、日本語を教える人は普段からよくしているので、日本語の説明がうまくなることができますね。私はまだまだ訓練が足りませんが…。

でも、こういうことは、誰でも1回は練習しておおいたほうがいいのかも、と思うんですよ。最近は防災の意識も高まっていますが、いざという時に助け合う人が日本人とも限らない。もしその人が日本語学習者だったら、どんなふうにわかりやすい日本語を使うことができるか、ということも想定して訓練をしていかなくてはならない時が来ています。あえて無理に外国語を使わなくても、わかりやすい日本語を使って、コミュニケーションをとることができれば、よりスムーズに意思疎通が図れるのではないかなと思います。
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by hanasmilesf | 2012-10-02 10:46 | multicultural topic

"リンサニティ"はアジア系イメージを変えるか

ジェレミー・リンの活躍は、アメリカ中で話題になり、全米放送のトーク番組などでも取り上げられるほどになりました。しかしそれと同時に、ジェレミー・リンに対してテレビやウェブサイト、ツイッターなどで発せられた人種差別発言なども問題になり、アジア系コミュニティの反発を招く結果となりました。

'Teachable Moments' Of Jeremy Lin Slurs Should Have Already Been Taught

アジア系の(しかも、アメリカ生まれの)NBA選手がこれだけの注目を集めることは、アジア系の人たちにとっても非常にうれしいことで、あらゆるウェブサイトやブログで取り上げられています。しかし注目されたらされた分だけ、人種差別発言などが必ず上がってくるのが、これもアジア系の悲しい宿命かなあ、というところでもあります。「アジア系が活躍しない」ことが当たり前だったので、飛びぬけて活躍してしまうと、ものすごく「奇異なもの」としてみられる傾向がある、というか。ジェレミー・リン選手本人が何度も言っていますが、「自分は自分のやらなければいけないことをしただけ。自分は何も変わっていない」というのは、本当だと思います。注目する側が、勝手に盛り上がって彼のシンデレラ・ストーリーに夢中になっている。彼は普通にどこにでもいるアジア系の青年だということを、忘れてしまってはいけません。

彼の活躍で、アジア系に対するイメージそのものが少しでも変わったらいいとは思います。しかしハーバード大学出身ですから、絵にかいたようなモデル・マイノリティ。しかも二度もチームから解雇されたどん底から這い上がってきた、というサクセス・ストーリーは、アメリカ人は大好きです。ここで「努力すれば人種や民族に関係なく報われる」というアメリカン・ドリーム神話が膨らんで行くでしょう。彼が活躍すればするほど、モデル・マイノリティのイメージが作り上げられていくと同時に、人種差別的な発言も浴びせられる(可能性が高くなる)という、あまり嬉しくないこともある、と思います。

先日angry asian manで紹介されていたコラムには、ジェレミー・リンが高校生の時から自分のエスニシティを理解し、<人種的な>ニックネームを自分でつけていたことが書かれています。彼自身、アジア系が多いベイエリアでもパロアルトという特殊な環境で、自分のエスニシティについて意識しながらバスケットを続けていたのが分かります。


A Question of Identity: The headline, the tweet, and the unfair significance of Jeremy Lin


そして、熱狂的な「リンサニティ」が少し冷めてきて、だんだん彼の活躍から発展して、冷静にアジア系全体の問題にも触れたコラムも上がってくるようになりました。

Commentary: For Chen and Lew, Linsanity Came Too Late

もちろんジェレミー・リン選手の活躍にはこれからも期待したいですが、これがアジア系イメージを変えるだけでなく、アジア系自身が自分たちのイメージ(あるいは、自分たち以外によってつくられたイメージ)について考えるきっかけになっていくんじゃないかなあと思います。

最後はおまけ:「どうしてリンサニティはあるのに、ヌエンサニティじゃなかったか?」というショート・クリップ。1999年から2005年にかけて、テキサスで活躍したベトナム系アメリカ人NFL選手のダット・ヌエンはどうして注目されなかったか検証してます。


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by hanasmilesf | 2012-02-29 16:00 | multicultural topic

楽しいMVのご紹介

私の好きな、Jane LuiとKina Grannisのビデオクリップの紹介です。

まずはJane Luiから。少し前のものなのですが、面白いので紹介します。

History Of Lyrics That Aren't Lyrics


タイトルのHistory Of Lyrics That Aren't Lyrics は、「歌詞ではない歌詞の歴史」です。歌詞がついていない、ダダダとかラララといった歌詞?を1960年代~2000年代の代表的な曲をピックアップして3分ほどにまとめたもの。Janeの歌もいいですが、バックのピアノとベースもなかなかいい味を出してて好きです。これ、多くの反応は「ねえねえ、あの曲は?」「この曲ぬかしちゃだめでしょ!」というもので、面白いアイデアだからこその反応のようです。

次はKina Grannisです。

In Your Arms - Kina Grannis (Official Music Video)


なんと、28万8,000個ものジェリービーンズを使ってコマ撮り撮影したものだそうです。撮影に要した時間は22カ月(ほぼ2年!)だとか。

メイキングビデオも。
The Making Of "In Your Arms"


Kinaは先日アメリカのナショナルチャンネル(全米放送)で放送しているEllenというトーク番組で歌を披露したそうですよ。お昼4時ごろにやっている、Oprahと並んで人気のあるショーなので、これからじわじわと人気が出てくるといいなあ、と思います。
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by hanasmilesf | 2011-11-17 17:11 | multicultural topic

This is NOT who I am.

二週間のご無沙汰でした。10月が異様に早く過ぎるのを感じています。今月もあと1週間なんですね、本当に早い!いろんなことがあったような気がしますが、それも含めて本当に時間があっという間に過ぎていっています。

来週はカンファレンスでシカゴに行きます。でも1泊2日の超短期滞在。仕事が休めないので、観光はほとんどできません。ミネソタ時代、友達とアムトラックでミネアポリス~シカゴ~メンフィス~ニューオリンズとアメリカ縦断の旅をしたときに一度シカゴを訪れていますがほぼ10年ぶりくらいです。その時は3日の滞在でしたがよく歩いたなあと言う思い出があります。あと美術館にも行きましたよ。シカゴのアムトラックの駅は映画「アンタッチャブル」に使われたので、一人で再現しようとして友達に引かれたとか、という思い出もあります。

さて、もうすぐハロウィーンなのですが今日angry asian manで取り上げられていたこのポスター。

a0029254_252499.jpg


いいですよね。「私は文化だ。コスチュームではない。」

we're a culture, not a costume

このポスタープロジェクトを立ち上げた人は、ハロウィーンに合わせていろんなエスニックグループが「コスチューム」になってしまうことに対して立ち上げたのだと言います。

それでなくても、アメリカのメディアでは「ゲイシャ」は「文化」として表象されることがありますがまるっきりのmisrepresentationです。それが50年前の話ならまだしも、今でもそうですからね。この話をアメリカ人の友達に話したところ、「しょうかないんだよ、それは」とあきらめているようでした。その人はアジア系ではないですが、私は「しょうがない」では済まされないよなあ、と思います。アジア系アメリカ人がどんどん自分でビデオをアップロードしてrepresentしている時代に、堂々とゲイシャダンスとか、考えられないだろうと。That's not us!といえる声を持ってきているのに、それが聞き届けられないというのはどういうことなんだ、と。

まさにこのポスターは、その声をきちんと伝えています。That's exactly what I wanted to sayという気分です。しかし、こういったことはハロウィーンの季節には毎年angry asian manなどのサイトでは取り上げられているのですがね…。空しいです。もっとこのキャンペーンが広がるように、と思います。

リンク先には他のエスニックグループのバージョンもあります。
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by hanasmilesf | 2011-10-25 03:04 | multicultural topic

学校と地域で支える:日本語指導が必要な児童生徒

少し遅くなってしまいましたが、追い続けていることなので書いておきます。
文科省が行っている日本語指導が必要な外国人児童生徒の受け入れ状況の調査は、これまでは毎年でしたが、最近は2年に一回になったため、去年は調査・発表がありませんでした。(現場の元教師の方に話を聞く機会が少しあったのですが、この調査は現場にとっては仕事が増えるので嫌だったそうです。少なくとも研究者にとっては大切な資料ですが、やはり現場の先生方はそれどころじゃないというのが現状なのでしょうね。)

「日本語指導が必要な外国人児童生徒の受入れ状況等に関する調査(平成22年度)」の結果について
(詳しい資料のリンクあり・PDF)

学校での指導ももちろんなのですが、地域の日本語教室などで草の根レベルで活動されている方たちの活動もものすごく大切になってきています。ある意味、学校の先生方が日本語指導も含めすべてを任されることは現実的に見て無理があるとも言えますね。

しかしまた、実際には一つの学校に日本語指導が必要な生徒が1人~2人、という学校が多いのも事実。となると一つの教室に集まって、というよりも加配教員などの指導、またはクラス担任(副担任)による指導、となっているのかもしれません。

日本語指導が必要な児童・生徒も、小学校では減少、中学・高校では増加、となっています。よりアカデミックなレベルでの日本語指導が必要になってきていることが分かります。

「のしろ(能代)日本語学習会」 活動日記
地域で活動している方々の活動の様子や思いがつづられています。
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by hanasmilesf | 2011-10-04 08:32 | multicultural topic

JAコミュニティのゆくえを、夏祭りを通して思う。

先日、これのお手伝いをしてきました。

サンフランシスコのこのお寺が主催するイベントとしては、1年で一番大きなイベントの一つです。ご縁がありここ何年かお手伝いをさせてもらっています。

日曜日には、朝からやぐらを組んで、お昼からは盆踊りもするんですよ。残念ながら写真はありませんが、やぐらは日本のそれとほとんど一緒です。いつもお手伝いをさせてもらっている間に盆踊りがあるので、私は見たことがないのですが、浴衣で来る人も多くて、夏祭りという感じがします。

このお寺は、歴史も古くて、催し物が行われた屋内の体育館は、戦後、「敵性外国人」として収容所に入れられていた日系人たちが日本町に帰ってきた時に、一時的なシェルターとして使われたそうです。(ちなみに、Tule Lake Segregation Center<ツールレーク隔離収容所>が最終的に閉鎖されたのは1946年3月。戦争が終わってからも収容されていた人たちがいました。)

ところで、こういうイベントを陰で支えている人たちは70代、80代の日系2世、3世のおばあさんたち。圧倒的に女性が多いのは、食べ物を準備したりするのが一番大きな仕事だからだと思います。(ちなみにどんなものを売るかというと、ちらし寿司、巻きずし、照り焼きチキン、バーベキュー、うどん、等々)その次に活躍しているのが3世、4世の中年の男性たち。力仕事やきつい仕事は彼らの役割。3世、4世の女性はベークセールや接客など。それより若い世代は残念ながらあまり見かけませんが、お客さんとして来ていた人は多かったです。でも、バスボーイとして活躍してた小学生くらいの男の子達もいました。

実際、日系アメリカ人社会は高齢化しているので(この記事参照)、何十年と続いてきたこういったコミュニティの夏祭りがいつまで続くかな、と見ていて思ってしまいます。今までずっとファンドレイジングのためとはいえ、手作り感があってコミュニティの絆が感じられるような感じがしてとてもよかったのですが、もう手巻きずしやちらし寿司を作れない世代になると、どうなってしまうんだろう、と。メニューがバーベキューだけになってしまっても、続けられるかな?と。

とはいえ、記事の中にあるように日本生まれの移民も増えてきているようなので(新「新一世」でしょうか)、こういった人たちが日系アメリカ人社会にどうやってアプローチしていくのか、一緒にコミュニティを作っていくのか、それともまた別なコミュニティができて行くのか…というのは今後10年、20年でまた変わってくるのかなあと思います。今のところ、こういった「お寺のつながり」のような、一つのコミュニティを形成するための基盤は新一世にはない(と思う)ので、そこがネックになるのかなあ、とも思います。もちろん、「お寺」以外のコミュニティもあるのでひとくくりには言えませんが、こういう(大勢の)みんなが集まれる場所としての役割は、すごく大きいと思います。
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by hanasmilesf | 2011-07-28 02:58 | multicultural topic

最近読んでいる本

Tim Wiseはこれまでも何度か紹介してきましたが、実は彼の本を読むのはこれが初めてです。どちらかというと活動家として知ったので、彼の著書はまだ読んでいなかったんです…。まだ途中ですが、彼の生い立ちと合わせて自分がどのように特権を持ちながら育ってきたかというのが書かれているところを読んでいます。

White Like Me: Reflections on Race from a Privileged Son

Tim J. Wise / Soft Skull Pr



読みやすいので、「(アメリカ)白人の特権」なんて、なんだか難しそうだなあ、という人にもお勧めできます。「人種」やCritical Race Theoryについては研究者が書いた本がいくつもありますので、理論をがっつり勉強したい、という人向けではありません。


この本、人気のようで改訂版がもうすぐ発売のようです。表紙は変わるみたいですね。デザインは上のほうが好きなんですけど。

White Like Me: Reflections on Race from a Privileged Son

Tim Wise / Soft Skull Pr


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by hanasmilesf | 2011-06-26 15:12 | multicultural topic

インターネットとアジア系アメリカ人: 若い世代を中心に (3) まとめ

1週間以上のご無沙汰でした。なんとなく、時間に余裕はあるものの、やることは多くてバタバタしています。なんなんでしょう。もう5月もあと10日ほどしかないなんて。

先日のアジア系アメリカ人とインターネットの話の続きですが、こうやって見てみると彼らが自分たちでビデオをアップロードして広めていくことの、一番の意義というか、効果は、(繰り返しになってしまいますが)メインストリームによってつくられたイメージを演じることなく、自分たちのそのままの姿を再生産していけることにあるのだろうと思います。

再生産ができるということは、このビデオを見ている他のアジア系の若者たちのロール・モデルになる。もちろんまだまだテレビ(ドラマ、コマーシャルなど)やハリウッド映画の影響は強いですから、そしてそれらのメインストリームメディアはステレオタイプをそのまま使い続けているわけですが、オルタナティブ(それに代わる)メディアを自ら持つことによって、いちいちそういうイメージに腹を立てたりすることなく、自分たちの姿をそのまま投影しているイメージを作り続けることができる、それを可能にしたインターネット(特にYouTube) の功績は大きいと思います。

この前紹介したビデオでも、なんら「演じさせられている」様子も感じられず、むしろ自分たちが好きなことをやっているので、生き生きとして見えます。これがあと5年、10年してどのように変わっていくのか、というのを、じっくり見ていきたいなと思います。
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by hanasmilesf | 2011-05-20 03:31 | multicultural topic

randam thoughts and journals from Kyoto~サンフランシスコから日本に戻ってきました~Coming full circle


by hanasmilesf

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